車検証の最大積載量と特車の許可証の積載重量の違い

特殊車両通行許可でよくいただく質問です。

車検証の最大積載量と特殊車両通行許可の許可重量は、なぜ違うのか?

車検証の最大積載量というのは、車検証に記載されているその車両が積載することのできる貨物の最大限度重量です。

しかし、特殊車両通行許可ではこの車検証に記載されている最大積載量で許可がおりるとは限りません。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

トラック


 




 

道路条件によるもの

理由の一つには道路条件があります。

たとえば北九州市と本州の山口県下関市を結ぶ通行経路を高速道路で作成すると関門橋を通行することになります。

この関門橋は、車両総重量で35トンまでと定められており、フル積載で35トン以上の車両は特殊車両通行許可を取得できません。

したがって総重量で35トンを超える車両は、減トンしないと許可がおりないのです。

一般的な平ボディー(スタンション型)のトレーラーは、積載重量が23トンから28トンくらいまであります。

このような車両ですと、連結状態では総重量が40t以上になります。

しかし、この車両で本州から九州に行く場合、5トン以上減トンしない限り特車の許可はおりません。

 

車両の条件によるもの

特殊車両通行許可では、分割できない貨物を運ぶとき以外の軸重は10tまでと定められています。

平ボディのトレーラーの場合、重機などの単体物(分割できない貨物)を運ぶことは、あまりありませんので、原則として軸重10tを超えて許可はおりません。

この場合、そもそも申請時点で却下されてしまいます。

具体的にどのような車両が軸重10tを超えずにフル積載で特車の許可がとれるかについては、申請書を作成してみないとわかりませんが、軸重と車両の条件には、概ね軸間距離とオフセットが影響しています。

軸間距離というのは、トレーラーのホイールベースのことで軸間距離が遠ければ遠いほど、それぞれの車軸にかかる重量は軽くなります。

オフセットというのはトレーラーの場合、荷台中心と後軸の中心との距離のことで、このオフセットが長い方が比較的軸重は軽くなります。

以上はトレーラー側の条件ですが、セミトレーラーの場合、トラクタヘッドの条件も加わってきます。

特殊車両通行許可では、セミトレーラーの各軸のことをA軸~F軸と表します。

B軸とは、シングルのトラクタの2軸目のことですが、セミトレーラーでは、このB軸の軸重が一番重いことが多く、そのB軸の軸重は、トラクタのオフセットの数値に影響されます。

このようにトレーラー、トラクタの寸法などの条件で軸重が決まってきますので、軸重が10tを超えないよう車検証の積載重量から減トンせざるを得ないのです。

 

 

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