増トン車(20t超)の申請方法

増トン車の特殊車両通行許可

増トン車

増トン車とは一般的な大型トラックの積載量を増加させたトラックのことです。

もともと大型トラックの総重量は20t以下と定められていました。

よく10t車と言われるトラックですが、 1994年の法規制緩和で、総重量25t以下まで認められる様になりました。

この総重量20t~25tの大型トラックが「増トン車」「大型増トン」と言われています。

また、この増トン車で一定の条件に当てはまる車両を特殊車両通行許可では「新規格車」と呼びます。

 

新規格車は重さ指定道路及び高速自動車道を自由に通行できる車両です。

重さ指定道路とは、総重量25tまで許可不要で通行できる道路のことです。

したがって重さ指定道路に指定されている国道及び都道府県道、高速自動車国道を通行する場合に特殊車両通行許可は必要ありません。

すると一見簡単そうに見える新規格車の特殊車両通行許可ですが、申請先に様々な条件があるため実はかなり面倒な申請になります。

例えば、下記のような経路で特殊車両通行許可の申請をするとします。

  • 出発地 弊所事務所 名古屋市北区大曽根二丁目8番26号
  • 目的地 名古屋国道事務所 名古屋市瑞穂区鍵田町2-30

この場合、通行する道路とその道路の管理者は、次のようになります。(片道のみとし中央分離帯などは無視したものとします)

  1. 国道19号線 国道事務所(地方整備局)
  2. 愛知県道15号線(名古屋多治見線) 尾張建設事務所
  3. 名古屋市道 環状線  名古屋市(緑政土木局)
  4. 名古屋市道 鍵田町第2号線 名古屋市(緑政土木局)

通常のトレーラの場合、上記の経路だと全ての経路に審査が必要ですので国道事務所に申請が可能です。

国道事務所に申請した場合、愛知県道や名古屋市道はそれぞれ国道事務所から道路管理者に協議をしてもらえ、許可は国道事務所から一活して交付されます。

しかし、新規格車の場合、重さ指定道路である国道19号線は審査不要のため、国道事務所では受付してもらえません。

したがって、この経路の特殊車両通行許可申請は、尾張建設事務所又は名古屋市にしか申請することができません。

※平成28年より、他の経路に国道事務所の審査が必要な経路があれば、国道事務所での申請が可能になりました。

 

 

都道府県道の管理者にはオンライン申請ができない

上記の経路で新規格車の特殊車両通行許可申請は、都道府県道の道路管理者(尾張県建設事務所)に申請する必要があります。

愛知県内には、11件の建設事務所があり、管轄道路によって分かれています。

建設事務所は、国道事務所と異なりオンラインによる申請ができません。

そのため原則として窓口に申請書を提出する必要があります。

以前は郵送による申請も可能でしたが、平成28年4月より愛知県内の建設事務所は、窓口に直接申請をしなくてはいけなくなりました。

当然、オンライン申請と違い、紙ベースによる申請になるため、申請書およびすべての添付書類はプリントして持参しなくてはいけません。

 

 

市町村では審査できない?

前述の経路では、都道府県道が含まれているため建設事務所で審査が可能ですが、通行経路が市町村道しかない場合、市町村に審査をお願いするしかありません。

しかし、愛知県では名古屋市、豊田市などは特車申請も受け付け慣れているため、普通に受付が可能ですが、一部の市町村では単独で審査をしたことが無く、受付に難色を示す窓口も存在します。

 

 

申請窓口は自分で探す必要がある

都道府県道は、それぞれ管轄があります。

国道の場合、オンライン申請ならどこの国道事務所でも審査を受け付けてくれますが、都道府県道を申請先にするには、その道路がどこの管理している道路なのかを自分で調べる必要があります。

同じ建設事務所でも管轄外の都道府県道の場合、どこの建設事務所でも申請は受付してもらえないからです。

 

 

新規格車は片道申請がほとんど

新規格車の重量の条件は、総重量で25tを超えないことです。

これは、貨物を含めた車両の重量です。

積荷を含めない新規格車の車両重量は8tから9tほどで、車両単体の場合、特殊車両通行許可は不要です。

したがって新規格車の特殊車両通行許可は復路の場合、必要ないことも少なくありません。

※工事車両などを運搬し、復路も貨物がある場合は往復の許可が必要です

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