包括申請と個別申請

特殊車両通行許可の申請方法には個別申請と包括申請という方法の2つがあります。

ここでは、それぞれの申請方法とメリット・デメリットをご説明します。

申請書

包括申請とは

特殊車両通行許可の包括申請とは、同じ車種、同じ軸数の車両を組み合わせて申請する方法のことです。

たとえば、2軸のトラクタヘッドを数台申請する場合、同じ2軸のトラクタは、一つの申請にまとめることができます。

包括申請にすれば、ヘッドが複数あっても申請は一つで済み、ヘッドの台数分申請する必要がありません。

また許可証も車両用は車両台数分必要ですが、会社の控え用は1部で済みます。

したがって許可証のプリントも大幅に省略することができます。

セミトレーラーの場合、多数のヘッドと多数のトレーラーを組み合せれば、どのヘッドがどのトレーラーをけん引しても問題ないため、1台1台組み合わせを検討する必要もありません。

車両内訳

 

包括申請のデメリット

包括申請は、同じ軸数の車両としか組み合わせはできません。

またトレーラーの場合は、車種も同じである必要があります。

多数の車両を組み合わせている場合、車両変更があると全部の車両の許可証を変更しなくてはいけません。

海上コンテナセミトレーラーなどのように積載重量がほぼ決まっている車両の場合は、組み合わせも比較的自由ですが、スタンション型などは積載重量が車両によって少しづつ異なるため、できるだけ同じ積載重量のものを組み合わせる必要があります。

なお、包括申請では、積載重量を一番軽い車両に合わせるため、積載重量の多い車両は、かなりの減トンをする必要が出てきます。

包括申請

 

 

個別申請とは

特殊車両通行許可の個別申請とは、その名の通り車両1台1台を個別に申請することです。

申請書を1台1台作成しなくてはいけないため、手間がかかりますし、許可証も会社控えまで車両の台数分プリントしなくてはいけないのでこちらも手間がかかります。

またセミトレーラーの場合、ヘッドとトレーラーの組み合わせを変更すると変更申請の手続きが必要になるというデメリットが発生します。

 

個別申請のメリット

前述したように多数の車両を申請する場合、個別申請はほとんどメリットが無いように思われます。

しかし、個別申請は車両の大幅な変更があった場合など、その変更された車両だけ変更手続きをするだけなので簡単なこともあります。

また、積載重量も個別に設定できるため、できるだけ多くの荷物を積み、良い条件で許可を取得したい場合は個別申請の方が融通をきかせることができます。

包括申請は、その登録された車両の一番悪い諸元で許可条件が決められてしまいます。

たとえばセミトレーラーの場合、登録された車両の中で一番条件が悪いヘッド(車両重量が重い、車長が長いなど)と一番条件が悪いトレーラー(車両重量が重い、車長が長い、最大積載量が少ない)の組み合わせで許可条件が決まってしまいます。

すると条件の良い車両もこれに合わせ減トンをしたり、D条件(夜間走行)になったりしますので、条件の良い車両と悪い車両は個別申請にした方がより良い許可条件で許可を取得することができます。

 

 

個別申請か包括申請か

上記のように個別申請と包括申請は、それぞれメリット・デメリットがあります。

経路、車種、積載重量、車両の長さなどに応じて、どちらの申請方法を選択するかよく検討する必要があるのではないかと思います。

 

 

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